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COLLECTION

2023 SPRING & SUMMER COLLECTION TRAVELER'S JOURNAL

2023 SPRING & SUMMER COLLECTION TRAVELER'S JOURNAL

 神話の時代から、さまざまな伝説に彩られた国。街を流れる斐伊ひい川は「たたら製鉄」の砂鉄をもたらし、出雲平野を広げ、宍道湖しんじこに流れこみ豊かな魚介を養います。いまも悠久の時を刻むこの地に生きる人々や見どころを紹介します。

手のひら紀行 – 出雲 手のひら紀行 – 出雲
出雲大社 出雲大社

出雲大社

 出雲に着いたら、まずは「大社さん」にお参りです。出雲では参拝の時に拍手を四回打ちます。いつもより景気いい感じで、ちょっと嬉しい。神楽殿のしめ縄は日本最大級、空に浮かぶ雲のようです。全国から八百万の神が集結する十月を、出雲では「神在月かみありつき」と言います。いまも人々の心の中心にある神社です。

長田染工場 長田染工場

長田染工場

 かつて出雲には四十軒以上の藍染屋がありました。いま一軒だけで筒描きを守り続けている長田さん親子の工房は、斐伊川の水を引いた高瀬川のそばにたたずんでいます。もち米の糊、藍、川の流れの自然の素材だけで作られる筒描きを拝見していると、昔と変わらぬ誠実なお仕事に胸がいっぱいになりました。

出雲民藝館 出雲民藝館

出雲民藝館

 島根県のさまざまな民藝品をあつめた美術館。出雲きっての豪農だった山本家住宅の一部をつかって展示しているので、いまも個人宅の中にある不思議な民藝館です。展示品はもちろん、江戸中期のこの家自体がまさに民藝品! 塀に囲まれた入り口のアプローチもほんとに素敵です。

木綿街道 木綿街道

木綿街道

 出雲はかつて「雲州木綿うんしゅうもめん」の産地でした。その集散所として栄えた平田には、いまもその面影を残す古い街道が残っています。老舗の生姜糖屋さんや酒蔵に混じって、最近は町屋をリノベーションした宿やイタリアンレストラン、地ビール醸造所ができてきて、若い人たちにも人気です。

出西窯(しゅっさいがま) 出西窯(しゅっさいがま)

出西窯しゅっさいがま

 民藝運動に感動した若者五人が、戦後に河井寛次郎、バーナード リーチらの指導を受けて始めた窯元です。普段使いの現代的な器が大人気。とくに深い紺色「出西ブルー」は、食卓に美しく華をそえてくれます。その器を使う隣のおいしいパン屋さんのカフェにもぜひ行ってみて!

出西織 出西織

出西織

 倉敷本染手織研究所で学んだ、出西窯の多々納さんのお母様が始められた織物工房です。本藍染に使う灰汁あくの灰が、そのまま陶器の釉薬になる無駄のない使われ方に、思わず納得。裏の畑で和綿を育て手紡ぎしたハンカチは、柔らかくてじんわり心にみます。

出西生姜(しょうが) 出西生姜(しょうが)

出西生姜しょうが

 出西地域でしか育たない、四百年以上の歴史がある伝統野菜です。生で食べられるほど繊維が少なく香り高く、ほとんど市場に出回らない幻の生姜です。手間がかかり後継者不足のため存亡の危機に。この生姜に出会い出雲に移住した小原さん夫妻は、自然農法で育てています。その情熱にピリッ!と感激しました。

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